第28回上映会『旅芸人の記録』             

追悼 テオ・アンゲロプロス

1975年/ギリシャ/232分/原題:「一座」/配給:フランス映画社/35㎜フィルム上映

 

1975年 カンヌ国際映画祭国際批評家大賞受賞
1976年 ロンドン映画祭最優秀作品賞受賞  ほか多数

 

監督・脚本:テオ・アンゲロプロス/撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス/録音:タノス・アルヴァニティス/美術:ヨウゴス・パッヅァス/音楽:ルキアノス・キライドニス/製作:ヨルゴス・パパリオス

出演:エヴァ・コタマニドゥ、 ペトロス・ザルカディス、ストラト・スパキス、アリキ・ヨルグリ、マリア・ヴァシリウ、キリアトス・カトリヴァノス

 

 

[日  時]2012年9月9日(日) 12:00~16:07

               (30分前開場/3時間52分/途中15分間休憩

                事前学習交流会11:00~11:30

 

[会  場]横浜市西公会堂

      (横浜駅西口徒歩10分/相鉄線平沼橋駅徒歩8分/TEL045-314-7733)

 

[後  援]横浜市教育委員会

 

 

[電話予約]横浜キネマ倶楽部 045-332-2837 で受付中!     

 

[プレイガイド]有隣堂伊勢佐木町本店 TEL045-261-1231

        高橋書店(元町) TEL045-664-7371

        シネマジャック&ベティ TEL045-243-9800

 

[作品紹介]

 

たぐいまれな詩の力 みなぎる壮大なギリシャ現代悲劇がよみがえる!

 

 1975年に完成され、同年カンヌ映画祭監督週間にひそかに出品されて世界初公開となったテオ・アンゲロプロス監督の『旅芸人の記録』の登場は、映画をつくる人々にとって、映画を見て愛してやまぬ人々にとって、大きな歴史的な事件の誕生となった。4時間近い上映時間を前もって知らされ、逃げ腰で話の種に見に出かけた人々までふくめて、そのまま釘づけになったように画面に魅了され、熱い血でつづられた現代ギリシャ史の壮大な壁画であるこの映画に、心からの熱い拍手を贈った。ある者は泣き、ある者は喚いた。そして2度見るために――4時間近くの超長編を、カンヌで、深夜の追加上映ですら!――人々は席を争って悔いなかった。その限りない美しさ、深さ、力強さ、幾重にもつみ重ねられた底力の重みを、それをカンヌで最初に見た世界各国のジャーナリストが、それぞれの言葉で打電した。そして『旅芸人の記録』を、上映時間の長さだけを理由にコンクール作品に選びきれなかった映画祭当局のためらいを愚として、満場一致で国際批評家大賞に選んだ。
 1952年晩秋。ギリシャ南部の海辺の町エギオンにおりたつ12名前後の旅芸人一座。数日後に大統領選挙を控え、騒然としている町中を一座はとぼとぼ進む。
 時間は遡り1939年晩秋、同じエギオンの町を同じ旅芸人の一座がゆく。ナチ情報相が立ち寄ることが大声で叫ばれる町中を、11人の一座が疲れた足取りで進む。
 古典劇を上演して各地を回る旅芸人一座の姿を通し、その後の独裁政権に至るギリシャの歴史を描く。                      (フランス映画社HP

 

テオ・アンゲロプロス 1935年4月27日生まれ。ギリシャの映画監督。

アテネ大学卒業後フランスに留学。フランス国立高等映画学院で映画製作を学んだ。1970年に初の長編映画を発表。長回しや曇天時での撮影が特徴で、現代史3部作と呼ばれる、当時の軍事政権を揶揄した『1936年の日々』(72)、ギリシャ神話を基にした長編『旅芸人の記録』(75)、7人の男たちが過去を回想する幻想的な作品『狩人』(77)の3作品で世界的な評価を得た。また、ギリシャ現代史を描いた大作『アレクサンダー大王』(80)でベネチア映画祭金獅子賞、詩人と難民の子どもとの交流を描いた『永遠と一日』(98)でカンヌ映画祭パルムドールを受賞している。

20世紀を題材にした新たな3部作の第1部『エレニの旅』のプロモーションで05年に来日しており、第2部で、09年にベルリン映画祭で公開された『第三の翼』の日本公開が予定されている。

2012年1月24日、新作の撮影中に交通事故で亡くなった。享年77才。